働き方改革法案の概要(4)

 「働き方改革関連法案」シリーズも第4回まで来ました。前回まで、労働基準法の改正について解説しましたので、今回は、そのほかの改正についてコメントしたいと思います。

 まず、「勤務間インターバル制度」についてです。この言葉、聞いたことがある方もそうでない方もいると思いますが、大企業では、すでに取り入れられているところもあります。「勤務間インターバル制度」というのは、前の日の終業時刻と、翌日の始業時刻の間に一定の時間を設ける制度をいいます。たとえば、インターバルを「11時間」と定めておくと、前日午後11時まで勤務した場合、本来の始業時刻にかかわらず、翌日は午前10時まで勤務させてはならない、ということになります。インターバルの時間は会社ごとに、労使間で協議して決めることになりますが、EU加盟国で導入されている「11時間」や、自動車運転業務について適用されている「8時間」あたりが一つの目安になるはずです。なかなか運用が難しいかもしれませんが、助成金もありますので、ぜひ一度ご検討ください。

 

 次に、最近、ニュースでも騒がれている「同一労働同一賃金」についてもある程度の法整備がされました。パートタイム労働法や労働契約法、労働者派遣法などが改正され、パート、アルバイト、有期雇用、派遣労働者など、いわゆる正社員以外の非正規労働者と、正社員との待遇格差の問題です。正社員からすると、異動もあるし、責任も違うのだから、待遇は違って当然だ、となりますし、非正規労働者からすると、実際にやっている業務は同じなのになぜ正社員かどうかだけでこんなに給料が違うのか、という不満につながります。法律では、職務内容や配置の変更が同じである場合、正社員と同じ待遇をしなければならないとされました。

 

 ただ、基本給に加え、住宅手当や通勤手当、精勤手当など、個別の手当てなどについても非常に難しい問題があり、個々の裁判で争われています。

 

 同一賃金の問題は実務的にも非常に重要ですので、「ガイドライン案」や最新の裁判例などを踏まえて、次回、もう少し詳しく解説したいと思います。

 

グルメ弁護士のつぶやき

 平成最後の年になりました。私は昭和59年生まれなのですが、寿命になるころには、「え?昭和ですか?」「昭和ってあの戦争とかあった時代ですよね」とか言われるのでしょうか。不安です。暗い気分になるので、いつもどおり食べ物の話でもしましょう。ワインのあてでよく出るオリーブ漬け。私はあまり好きではなかったのですが、井上誠耕園「小豆島産オリーブの新漬け」を食べて価値観が変わりました。かじると、雑味なくフレッシュなオリーブの旨味がたっぷりと溢れます。「ありがとう小豆島」。

(2019年2月22日発行 文責:速水もこみち、もとい石崎)