離婚問題の基礎(12)~慰謝料(解決金)~

 今回は、協議や調停で慰謝料について合意ができない場合、裁判所ではどのように判断されるのか、について書きたいと思います。

 

 まずは、夫婦の婚姻関係の破たんの原因がどのようなことであり、それが夫または妻のいずれにあるのかを考えます。不貞(不倫)や暴力は、婚姻関係の破たん原因と考えられますので、これをした夫(または妻)に責任があるといえます。また、破たんの程度や割合、例えば、不貞期間や態様、暴力の程度や頻度などがみられます。

 

 次に、婚姻期間、生活の状況や子供の有無など夫婦の環境を考慮します。例えば、婚姻期間が長い、子供が幼い、夫婦間に経済的な格差がある、夫婦関係がそれまでは良好だった、というケースでは比較的慰謝料が高くなる傾向にあるといえます。
同じ不貞行為が破たん原因でも、夫婦の収入によって慰謝料の金額変わるというのは、ある意味不公平な気もしますが、このあたりを考慮して、最終的に妥当な金額を裁判所が判断し、認定します。

 

 あくまで目安として、相場といわれるものもあります。

 

 ひと昔前までは、不貞による慰謝料の相場は300万円といわれていました。

 

 しかし、最近の裁判実務の流れをみていると、だいたい150~200万円前後で認定されるケースが増えているように思います。

 

 これも時代の流れなのでしょうか、支払う側、つまり不貞行為をした側にお金がないケースが増えてきましたので、金額が低額化してきたのかもしれません。

 

 また、支払う側としても、慰謝料というと自分が悪いことをしたことを認めるようになるので、慰謝料という言葉を嫌い、解決金という名目で支払ったり、財産分与として金額を上乗せして支払うケースもあります。

 

日々の雑感

 先日、スーツのジャケットの袖などお直しを依頼したのですが、出来上がったものを着てみるといつもよりも袖が短い気がします。。。
 気になって調べてみると、ジャケットの袖は、親指から測って11cm程度、ワイシャツが1~2cm見えるのがちょうどいいそうです。
 ただ、ネット記事によっても幅のある記載が多く、結局は好みの問題ということで、納得しました。。。

(平成31年1月28日発行 文責:下田和宏)