企業経営にまつわる刑事事件 第5回 名誉棄損(1)名誉棄損罪とは?
第4回までは、痴漢痴漢と連呼させていただいてきました。今回からは「名誉棄損罪」を題材とさせていただこうと思います。
「名誉棄損」という言葉は、世の中でも広く使われており、皆 様も耳にする機会は多いかと思います。そして痴漢同様、一言に 「名誉棄損」と言っても、そこには様々な種類のものがあります。
大まかに分けると「名誉棄損に対して損害賠償を請求する」といったケースと「名 誉棄損罪で警察に捕まる」と言ったケースがあります。前者のケースは、いわゆる 「民事上の名誉棄損」であり、後者は「刑事上の名誉棄損」ということになります。 非常にややこしいですね。
民事上の名誉棄損が成立すると、平たく言うと、損害賠償としてお金を請求するこ とが出来ます。一方で刑事上の名誉棄損罪が成立すると、加害者が国から罰を受ける ということになります。テレビなどでよく見かける「名誉棄損で訴えてやる!」と言 うセリフも、厳密に考えると、これら2つの意味が含まれているのかと思います。
この法律相談では、主に刑事上の「名誉棄損罪」についてお話させていただければ と思います。
名誉棄損罪は、公の場で、本当にあったことなどを話して、名誉を毀損する行為を した場合に成立します。例えば周りに人がいる場所やインターネット上で、他人の、 人に知られたくないような過去の事情を暴露する行為などは、名誉棄損罪にあたる可 能性の高いものです。
ところで、名誉棄損というと「生身の人間に対して」成立するというイメージがあ りますよね。では、会社の名誉を毀損した場合、名誉棄損罪は成立するのでしょう か。経営者の皆様としても、気になるところかと思います。
次回は、その点を重点的にお話させていただければと思います。回答をお考えいた だけると幸いです!
弁護士の徒然草
夏も終わりに近づいていますが、今年の猛暑はひどかったですね。この時期になってもまだ 厳しい残暑が続いております。夏になると、必ず「毎年こんなに暑かっただろうか。」などと 考えてしまいますが、おそらく「毎年こんなに暑かった」のでしょうね。。(ただ、今年こそは 本当に記録的猛暑だったと信じて良いのでしょうか?)
あと少しすれば、やっと、爽やかな秋が訪れます。
しかし、秋を通り越して冬がやってくれば、おそらく「毎年こんなに寒かっただろうか。」 などと考えていそうです。。
(2018年9月11日発行 文責:佐山洸二郎)
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