健康診断を受けさせる義務?
今回は、労働法上「健康診断」がどう扱われているのかについて、お話させていただければと思います。
健康診断については、労働安全衛生法という法律で定められています。
労働安全衛生法は、労働基準法よりはやや登場頻度が低いですが、重要な労働法の一つですね。
労働安全衛生法では、「会社は、雇入れ時や定期的に、常時使用する従業員に対して、健康診断を受けさせなければならない」と定められています。
会社は、従業員に働いてもらう以上、その健康状態も出来るだけ把握して、無理をさせないようにすべきということなのですね。
「常時使用する従業員」というのは分かり辛い表現ですが、要するに①正社員(無期雇用契約社員)や、②正社員以外であっても正社員と同じくらいの期間や時間数働いている従業員、ということですね。
この健康診断ですが、例えば社内で独自の健康診断を実施しなければならないわけではなく、健康保険上の健康診断その他の健康診断を受けさせるという方法も可能です。
そして、費用も会社負担とすることが厚労省により推奨されています。
ちなみに「会社が従業員に健康診断を受けさせる義務」だけでなく、「従業員も健康診断を受ける義務」があります。
会社がこれらの義務に違反すると、50万円以下の罰金が科される可能性があります。その一方で従業員側も、健康診断を理由なく拒否していると、会社から懲戒処分などの処分が下される可能性も出てきます。
会社も従業員も、協力して健康診断受診義務を果たしたいところですね!
弁護士の徒然草
偉そうに健康診断健康診断と連呼してしまいましたが、実は私自身も、健康診断はどうしても後回しになってしまいます。。
元々は太りにくい体質だと思い込んでいたのですが、ここ数年はあまりの運動不足がたたり腹囲の数値がどんどん上がり、体重も適正値をかなりオーバーしています。
慌てて運動を再開して少しは脂肪も落ちてきた(と思いたい)ところですが、まだまだ「ビール腹のメタボ予備軍、いや正規軍」の状態なので、引き続き運動を頑張ると共に、しっかり健康診断を受診したいと思います!
(2023年11月27日 文責:佐山 洸二郎)
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