外国人雇用の法務(13)
今までは、在留資格ごとに、資格の特徴や法規制などを解説してきました。
今回は、視点を変え、労働法の観点から、在留資格一般に広く共通する注意点について解説します。
外国人労働者を雇用するニーズが従前どこにあったかというと、人手不足の解消ということだけではなく、一面には、賃金が安くて済むという考えがあるからではないでしょうか。
では、外国人労働者の賃金が安く済むというのは、本当なのでしょうか。実際上の面と、理論的な面の両方から見てみます。
実際の統計では、やはり、外国人労働者の全国平均賃金は、国内日本人の全国平均賃金より低いようです。特に、在留資格ごとの統計で、技能実習生の賃金が低くなっており、その母数が全体の平均額も下げているようです。
技能実習生にやってもらう仕事の性質上、ある程度賃金が平均より下がってくること自体は自然なことではないかと思う反面、これまでも制度上の問題として指摘されてきたこともあるようです。
前回紹介したように、技能実習という資格制度自体が廃止される中で、今後会社としては、人件費コストについて再考を促されるように思います。
そして、理論面(法律の面)でいえば、外国人であっても、雇用されれば労働法が適用されることには変わりません。最低賃金の規制が適用されるのはもちろん、同一労働同一賃金の規制も適用されます。
仕事の内容が差別化されているならばともかく、はっきりとした理由なく賃金を差別化すると、労働法違反になるため、注意が必要です。
物好き弁護士のつぶやき
これまでのコラムでも、実子の成長について報告させて頂き、「出来ることがどんどん増えていく」ということを申し上げました。一歳になった娘は、最近、歩きだしました。言葉のようなものもかなり話しだすようになるとともに、ごっこ遊びのような素振りもしだしました。
どういうことかというと、食べ物が描いてあるカードのおもちゃがあり、そのカードを、食事として絵本のキャラクターにあげることで遊びます。娘は、キャラクターにあげることはもちろん、その食べ物カードを自分の口のところに持っていき、もぐもぐ口を動かすのです。食べ物だと思っていれば本当に口に入れるだろうと思うのですが、そういった動きとは少し違うのです。
これは、おままごとをしているということで良いのでしょうか。 (2024年9月25日 文責:原田 大士)
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