カスタマーハラスメント?

数ある「〇〇ハラスメント」の中に「カスタマーハラスメント(通称:カスハラ)」というものがあります。
これは、パワハラやセクハラなど社内の従業員同士での問題ではなく、「カスタマー(顧客)」からのハラスメントをいいます。

いわゆる「不当クレーマー」とほとんど同じ意味ですね。
具体的には「土下座を要求する」「不当なサービスを要求する」「責任者を出せと居座る」「謝罪や従業員の処分を求め執拗に電話や訪問をしてくる」などの行為ですね。

 

近年このカスハラについて、その防止や対策の必要性が叫ばれており、去年には厚生労働省でも「カスタマーハラスメントマニュアル」が公表されております(インターネットからすぐにダウンロード出来ます)。
顧客からのクレームが発生した場合は、①まずは事実関係を調査する、②会社に法的責任があるかどうかを検討する、③法的責任があるのであればその範囲で責任を果たす、④法的責任が無いのであれば道義的謝罪のみするかどうかを検討する、というのが大きな流れになります。

もしその過程で、正当なクレームではなく不当なクレーム、すなわちカスタマーハラスメントであると判断した場合、損害賠償請求、裁判所に訪問禁止命令を出してもらう、被害届(脅迫、業務妨害など)を提出するなど、法的手続を検討していくことになります。

 

日本では「お客様は神様」という言葉が、一部で誤った形で根付いてしまったせいもあり、そのように誤解したカスタマーによるハラスメントが発生しやすい状況でした。
特にサービス業ではそのような風潮が強かったと思います。

サービス業に限らず日本全体としてそのようなカスタマーハラスメントを許さないために、そして現場の従業員の皆様が疲弊しないためにも、カスタマーハラスメントに対しては毅然とした対応をしていきたいところです。

 

弁護士の徒然草

皆様、昨年は大変お世話になりました。今年も、改めて、どうぞよろしくお願いいたします。
新年早々、大地震や大事故が起こり、「明けましておめでとうございます」と言って良いのかどうか悩む正月を過ごしました。
まだ被害状況が全て明らかになったわけではないと思いますので、慎重に様子を見つつ、自分の出来ることをやっていきたいと思います。                                                                                             (2024年1月9日 文責:佐山 洸二郎)