今号のトラブル: 従業員の問題行為(4・完)

従業員の問題行為について解説しています。今回は、シリーズのまとめをしたいと思います。まず、どんな種類であれば、最初に重要なのはヒアリングと情報収集です。そして、相手、日付、内容を議事録や報告書の形でまとめておきましょう。重要なのは、そのときに、決めつけてかかったり、すぐに懲戒免職などの処分をしてしまうことです。後から、「解雇を強要された!」など思わぬ主張をされることがありますので、その場では、ヒアリングに徹し、最終的な結論までは、せいぜい自宅待機に留めておきましょう。

具体的な問題行為としては、大きく分けて、私的な問題と業務に関する問題の2つがあります。金銭の貸し借り、離婚、遺産分割など、私的なもの、プライベートに関するものは、なかなか会社として口を出しにくいのが実情です。鬱病になり仕事が手に付かないとか、督促が会社にまでかかってくるなど、業務にまで影響が出てきて初めて、対応していくことになります。それも、始末書や、退職勧奨などから、段階的に行わなければなりません。刑事事件にまで発展しても、業務に影響がない限り、処分は難しいと考えて下さい。最近は副業についてもよく問題になりますが、就業規則上、副業禁止としていても、業務上、影響がなければ処分が難しいと思った方がよいでしょう。

他方、業務上の問題を起こしてしまった場合については、当然ながら、処分がしやすいといえます。重要なのは、言い訳できないように証拠をしっかりと集めておくということです。そうすることで、交渉などを有利に進めることができますし、最悪の場合、警察に被害届を出すということもできるためです。通常は、耳をそろえて返還すれば大事にはしないが、誠実に対応しない場合には、警察に通報する、という扱いをしていると思います。このあたりは社風や経営者の判断にもよるでしょう。よくあるのは、経歴詐称ですが、心情的には、「詐欺だ!」となるものの、現状の業務に支障がないと、経歴詐称のみを理由にしては解雇できません。

従業員の問題行為については、その態様や規模が様々です。打つ手を間違えれば、従業員との間でも紛争になる可能性がありますので、ぜひ、「ボヤ」のうちにご一報ください!

グルメ弁護士のつぶやき

この欄では、「明けましておめでとうございます」ですね。ハマスタ駅伝は、目標にしていた15分を切れましたが、その次の週に走った日産スタジアム駅伝では、残り1キロで大失速し、4.5キロで25分近くかかってしまいました。直後こそ、節制しようと思ったのですが、しばらく走る予定もないので、もうええわ、という気になり、横浜に多い「ニュータンタンメン本舗」で、みそタンタンのメチャ辛、餃子、チャーハンを食べてしまいました・・・。今年も食べまくります!!

平成29年1月31日発行 第138号(文責:石崎 冬貴)