副業の法的問題 (4) ~公務員の副業~
少し前に、消防署の職員が副業の賃貸収入で年に7000万円の所得があったなんてニュースがありました。相続した賃貸物件から、家賃が入ってきてたんですね。この消防署職員(公務員ですね)の場合は、違法な副業をしたということで、最終的に解雇されてしまったようです。
公務員の場合は、副業は法律で禁止されています。簡単に言うと、許可なく他の仕事をしてはいけないということです。公務員の場合、営利企業での仕事だけでなく、非営利の仕事も駄目と、法律で定められています。
公務員の場合、副業を厳しく禁じているのには、一応理由があることになっています。公務員のくせに副業をしていると、本人は勿論、所属する職場、公務員自体のイメージを悪くするそうです。「別に副業くらいしたっていいじゃん。」と、私なんかは思ってしまいますが、「公務員のくせにけしからん!」と考える国民も一定数いそうですね。
さらに、副業によって、公務員として扱っている秘密が外部に漏れる恐れがあるということも理由となっています。もちろんそういう場合もあるでしょう。しかし、消防署の職員とし持っている機密情報が、賃貸業をしていると漏れるなんてこと、常識的には考えられないですよね。さらには、精神的・肉体的な疲労などにより、本業に支障が出るとまずいから、公務員の副業は禁止されているということです。しかし、本業への支障などということなら、徹夜してテレビゲームしてた方が、よっぽど翌日に悪い影響を与えそうです。(う、うちの息子のことです。。。)
公務員の場合は、法律で副業が禁止されているので、副業を認めるのには法律改正が必要になります。一方、一般企業の場合には、前にも説明した通り、副業は本来自由にできます。副業禁止の根拠がかなり怪しい中で、企業が副業を禁止するのは、法的にかなり困難となってくるはずです。
(平成29年8月28日発行 文責:大山 滋郎)
- 外国人雇用の法務(8)
- 労災とは?
- 【消費者被害と中小企業編】これからの中小企業への規制と保護について
- 退職に関連するトラブルについて(2)
- 助成金について
- 会社に役立つ刑事豆知識(14)
- 休職とは?
- 【消費者被害と中小企業編】フランチャイズ規制について
- 退職に関連するトラブルについて(1)
- 実録・労働審判⑥
- 会社に役立つ刑事豆知識(13)
- カスタマーハラスメント?
- 【消費者被害と中小企業編】ステルマーケティング規制について
- 賃金の減額について(4)
- 実録・労働審判⑤
- 会社に役立つ刑事豆知識(12)
- 健康診断を受けさせる義務?
- 【消費者被害と中小企業編】ステルスマーケティング規制について
- 「夜勤手当」の固定残業代の有効性について
- 実録・労働審判④
- 会社に役立つ刑事豆知識(11)
- 労働条件明示義務の内容が改正される?
- 【消費者被害と中小企業編】求人広告トラブルの概要とその対応
- 賃金の減額について(3)
- 実録・労働審判③
- 会社に役立つ刑事豆知識(10)
- 労働条件明示義務とは?
- 【消費者被害と中小企業編】景品表示法ではないというための「資料」
- 賃金の減額について(2)
- 実録・労働審判➁