【労働裁判例を知り、会社を守る!】第20回 労働時間を把握していないと損害賠償責任を負う・・・?
今回は、従業員が過労によるうつ病を発症し自殺をしてしまい、遺族が会社を相手取り、主に「会社が労働時間を把握せず放置していた」ことを理由として、損害賠償責任を追及した裁判例(前橋地裁平成24年9月7日判決)をご紹介いたします。
この裁判例の会社は、測量設計施工監督等を営んでいましたが、ある従業員が、現場指揮や管理による過労で自殺をしてしまいました。
裁判所は、遺族の請求を認め、会社に対し合計約7000万円の損害賠償を命じました。
この裁判で会社側が負けた大きな理由は、長時間労働を放置し、しかも労働時間の自己申告が非常にし辛い状況を作り出していたという形にまとめることが出来ます。
会社は、「月24時間を超える残業はしないように」という方針を打ち出していましたが、会社の業務量の実態としてはそれは極めて難しい状況でした。
なので実際には「月24時間を超える時間外労働手当は出さない」という意味合いになってしまっていたようです。
このような状態だったので従業員たちも、月24時間を超える残業の申告はせず、いわゆるサービス残業が長時間化するという状況になってしまっていたようです。
さらに、こうした状況の中でこの従業員は、自殺してしまう前の6か月間で、月間93時間~156時間という長時間の残業をしていたことが認められています。
そして、会社側は、その実態を把握していませんでした。
月24時間を超える残業の申告が出来ない状況を作り上げてしまっていたのですから、当然といえば当然ですね。
以上からわかることは、会社としては、労働時間を正確に把握する当たり前の前提として「残業時間は適切に申告出来る、すなわちサービス残業が発生しないような状況を作っておく」ことが重要ということですね。
弁護士の徒然草
7月4日に、第一子長男が産まれました。
今(書いている時点で8月15日)は、抱っこ紐で赤ん坊を抱えながらこの記事を書いております。新生児期と異なり最近はなかなかベビーベッドで昼寝をしてくれなくなってしまったのですが、抱っこ紐を使うとコロッと寝てくれます。自分にくっついて寝ている子供は非常に可愛いのでずっとこの状態でもそれはそれで幸せな一方で、やはり身体は深部から非常に疲れます。
いつまでこういう期間が続くのか、楽しさと不安が入り混じった気持ちです! (2026年8月17日 文責:佐山 洸二郎)
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