知って得する生成AIと法律②

生成AIで作った作品が権利として保護される例外
前回に続き、AIと法律について解説させて頂きます。
前回は、生成AIを用いて作った作品は、生成AIは思想・感情が表現できない以上、「著作物」とは言えず、著作権等も発生しないという結論に法的にはなるという内容でした。

今回はその例外として、権利が発生する場合について解説します。

 

その例外的な場合とは、人間がAIを「道具」として使って、作品を制作したと認められる場合です。
その場合には、AIを使用した人間がその作品の権利者となることができます。
ではどのような場合に人間がAIを「道具」として使ったと言えるのでしょうか。

 

各国によって見解は異なりますが、日本の文化庁の見解によれば、人間の「創作的意図」があり、かつ、人間の「創作的寄与」が認められる必要があるとのことでした。
難しい基準ですが、私の解釈では、制作した作品にその人間の「オリジナリティ」が求められていると理解しています。
生成AIは、「プロンプト」と呼ばれるAIに対する文章での指示・質問などによって、簡単に画像等が生成されます。単にプロンプトを入力しただけで人間のオリジナリティが認められるかというと難しい場合が多いのが私見になります。

 

とはいえ中国では、「春風が優しさを運ぶ」という、AIで生成された女性の画像を無断で転載されたとして著作権侵害が裁判所で認められています。

作成者がプロンプトを入力し、画像の細かな関連パラメータの調整、より良い画像の選定などを行っていた制作過程を考慮して、AIを使用した者に作品の権利が認められたものになります。プロンプトもコンピューターのプログラムのように複雑なものもあり、プロンプトエンジニアのような専門家もいるため、そのようなところにオリジナリティが今後認められていく可能性もあります。

 

後書き

弁護士の仕事がAIに奪われずらい理由として、交渉訴訟等の人間同士のコミュニケーションやお客様の要望に応じた法的アドバイス等をできる「オリジナリティ」があるからだと言われています。とはいえAIも質問者の立場や意図を「忖度」して回答することはあるので、AIに負けないよう専門家としてのスキルを磨いていかなければいけないと思う日々です。                                                                                                            (2026年9月10日  文責:高橋  涼馬)