【労働裁判例を知り、会社を守る!】第21回 「雇止め」も実は厳しく制限される・・・?

「雇止め」とは、有期雇用契約を会社側が更新せずに終了させることをいいます。
 一般的な感覚だと「契約期間が終わるのであれば、更新しないで終了させるのは自由なのではないか…?」と感じますが、果たしてそうでしょうか?
 今回はこの点について最高裁判所まで争われて判断がなされた裁判例(昭和49年7月22日判決)をご紹介いたします。

 この会社は、電気機器の製造販売等を行う株式会社でした。会社は、臨時工であった従業員複数名について、「雇止め」を行いました。有期雇用契約の期間が終了したので、更新しなかったのですね。すると従業員側が「この雇止めは無効であり、まだ従業員の立場にある」と訴えを起こしました。
 裁判所は、「この契約は、実質的には無期雇用契約と同じ状態にあった」として、「雇止めは無効である」とし、つまり従業員たちの訴えを認めました。
 「契約期間が終了したのに、契約は終了出来ない」ということです。
 なぜ裁判所でこのような判断になったのでしょうか。
 まず、①臨時工とは言っても、ほとんどの臨時工を継続雇用する状態が続いていたことです。
 また、②過去の契約更新時に、新契約締結の手続をしていなかったこと、つまり「元の契約がずっと続いていると従業員に思わせる状態になっていたこと」です。
 そして、③有期雇用契約であることと整合しない就業規則を利用していたことです。
 さらに、④採用時に継続雇用を期待させる言動を行ったことも挙げられています。

 このような一連の理由から、契約書のタイトルは「有期雇用」であったとしても、その後の業務状況、契約の更新手続、そして会社側が従業員に「継続雇用を期待させる言動をとっていた」ことなどが総合され、実際は無期雇用だったと判断されたのですね。

 

※ちなみに、この4つ全ての理由が揃っていなくても無期雇用と判断される可能性はある点も注意が必要です。
一般論で言えば、「契約は期間満了で終了」するのが当然ですが、雇用契約においては、このように労働法で強力な制限がかかっているので、注意が必要ですね。

 

弁護士の徒然草

現在子育て(約3か月)奮闘中なのですが、「数日前、それどころか昨日は通用していたあやし方が、突然通用しなくなる…」ということの繰り返しで、試行錯誤の繰り返しという状況です。弁護士業務においても、法改正や新たな裁判例の登場でルールが変わることはよくありますが、その「ルール変更」が、物凄く短いスパンに凝縮されて次から次へと起こるという印象です。法改正も子育ても、しっかり食らいつきながら、引き続き頑張ります! 

                                                                                                                 (2026年9月28日  文責:佐山洸二郎)