第141号 利用規約って必要なんですか?

 

Q)インターネットでビジネスを始めようかと思っています。ほかのウェブサイトを見ていると、「利用規約」というものが定められています。これは契約書とは違うのでしょうか。サービスを提供するとき、利用規約は必ずなければならないのでしょうか。

 

インターネットでの業務にそって、今回から法律コラムを連載していきます。今回は、聞いたことはあるけれども、よくわからない「利用規約」の話です。

利用規約というのは、そのサービスを利用するルールを定めたものです。たとえば、掲示板サイトで「転載してはならない」とか「著作権は◯◯に帰属する」などが定められています。

利用規約は、当事者が署名などをしないため契約書そのものではありません。しかしながら、そのルールに従うということを前提にサービスを受けるということを約束しているということで、利用規約の内容は、契約の一部となると考えられているのです。利用規約を含め、このような定型的に処理するための条項を「定形約款」と言ったりもします。(定形約款は、民法改正によって整備がされることとなります。これは後日解説します。)

では、利用規約が必要なのかと言われると、なければ契約が成立しないというわけではありません。サービスを利用する側と提供する側が単に合意をすれば契約は成立するのです。しかしながらトラブルが発生した時、そのトラブルについてどう処理するかわかりませんよね。また、知的財産が関わっていたりすると、やはり利用規約で処理しておくことが紛争解決に役立ちます。そのため、利用規約を定めるのがスタンダードであるといえます。

 

週末のおでかけ日記

先日はじめて野毛山動物園に行ってきました。びっくりしたんですが、ここって無料だったんですね。無料ではあるのですが、よく鳴くシマウマや寝続けるライオンなど、いろんな動物がいて、充実していました。桜が散りかけていて、その桜の花びらが動物に降り注ぐ様子は、風流を感じました。

まあ、動物の多様性にも目が行ったのですが、むしろ、この動物園の面白さは客層の多様性でした。「絶対水商売の帰りだろ!」としか思えないような人も多かったです(笑)。平成29年4月24日発行第141号 (文責:杉浦 智彦)