契約更新拒絶に関するご質問

 

Q1 会社の業績が悪く、どうしても雇止めをする必要があります。労働契約法19条の要件を満たしてしまったら、常に雇止めが許されなくなるのでしょうか。

A1

労働契約法19条の要件を満たす場合であっても、雇止めが許されるときもあります。例えば、やむを得ない事業上の理由により人員整理をする必要があり、配置転換する余地もなく、臨時雇用者全員を雇止めする場合などです。単に業績が悪いというだけでは、雇止めは許されないので注意が必要です。

 

 

Q2 従業員が継続雇用に対する合理的期待を抱いたら、どのような場合でも雇止めをすることができなくなるのでしょうか。

A2

いったん合理的期待が発生しても、それが解消されれば、雇止めできる場合もあります。解消するためには、会社側が、従業員に対して、企業の置かれた状況や雇止めに至る経緯などを充分に説明するなどの慎重な手続が必要とされます。

 

 

Q3 あらかじめ更新しないと告知しておけば、更新拒絶しても大丈夫でしょうか。

A3

単に一方的な不更新の告知をするだけでは、不十分です。不更新の告知だけでなく、更新手続きを厳格に行うなどして、有期雇用の実態を保つこと、従業員に誤った期待を抱かせないこと等が必要です。

 

 

Q4 このような条項を有効に機能させるためにはどうしたらよいでしょうか。

A4

更新手続きを厳格に行ったり、更新が前提となるような長期にわたる内容の業務をさせないこと等が必要になります。

 

 

Q5 あらかじめ雇用契約に更新回数や期間の上限を設けようと思いますが、このような条項を設けることに問題はありますか。

A5

こういった条項は不更新条項といいます。不更新条項を入れた更新契約を締結しさえすれば、常に雇止めが有効になるわけではないので注意が必要です。

 

 

Q6 1回しか更新してない場合でも、更新拒絶ができないときはありますか。

A6

1回しか更新していない場合であっても、更新手続きが形骸化していたり、雇用を継続することを期待させる言動を会社側がしていたりするときは、やはり更新拒絶ができない場合があります。

 

 

Q7 雇用が継続されるとの期待を抱くことに合理的な理由がある場合とは、どういった場合のことでしょうか。

A7

例えば、更新手続きが形骸化していたり、更新回数が複数であったり、雇用期間が数年に及んでいたり、業務の内容が正社員と同じであったり、雇用を継続することを期待させる言動を会社側がしたりした場合などをいいます。

 

 

Q8 労働契約法19条の要件とはどのようなものですか。

A8

①過去に反復して更新していることで、期限の定めのない雇用契約と同視できる場合、または②従業員が雇用が継続されるとの期待を抱くことに合理的な理由がある場合に、③従業員が雇用の継続を申し込んだことです。