残業代・賃金未払い

あとになってから残業代を求めてきた事例

これからは無駄な残業をしないで済みます!

その会社では、以前は基本給を非常に低く設定する代わりに、残業代は全て認めていました。ところがこのようなやり方ですと、生活のために、必要のない残業や休日出勤をする人が沢山出てきました。

そこで会社は、従業員と話し合い、相当額のみなし残業代を支払う代わりに、その他の残業代は支払わないことに決めたのです。従業員は、「これで無駄な残業をする必要がなくなりました!」と大喜びしたのです。

しかし会社は、みなし残業代の規定など、就業規則等で明確に定めることはしておりませんでした。

 

残業代を貰っていない!

ところが、それから数年たって、ある従業員が、「残業代を貰っていない。」と不服を言うようになりました。そして、労働基準監督署に文句を言っていったり、労働審判を起こすところまで行ったのです。

会社としては、このような言い分には大変反発していました。従業員の為を思ってみなし残業代の制度を取り入れたのですから、当然です。

 

退職による解決

最終的に本件は、一定の金額を支払ったうえで、当該従業員が退職することで解決しました。

会社としては、「何故お金を支払わないといけないのだ」という気持ちは残りました。しかし最終的には、今後は就業規則の整備など、しっかりと行わないといけないのだということを学んだ良い機会だと、前向きにとらえてもらうことが出来ました。

 

 

残業代・賃金未払いについて当事務所の考え方について

みなし残業代は無効だと、残業代請求をしてきました

典型的な弁護士の考え方

法律上は、就業規則に明記されていないみなし残業代は認められません。

残業代を支払うしかない事案です。

 

横浜パートナー法律事務所の考え方

ある程度の残業代を、最終的に支払うことになるのは間違いありません。

しかし、当方の主張をすることで、事実上金額に影響を与えることも出来ますし、交渉の中で従業員に退職してもらうことも可能です。

 

残業代・賃金未払いでいただくご質問

 

Q1弊社は零細企業のため、正直に言って、残業時間や割増手当の額など、しっかりと管理していない部分があります。今のところ社員も特に問題にしていませんが、このままの状態でもよいものでしょうか。

A1

勤怠管理などは法律上、使用者に課せられた義務になります。もちろん、社員が何も言わなければ、事実上問題になりにくいのは事実です。ただし、一度、紛争になれば、労働組合の団体交渉や労働審判など、本業にまで支障をきたすことになります。最悪の場合、労働基準監督署の調査を経て、刑事手続にまで及ぶ可能性がありますので、これらは、使用者に課せられた最低限の義務として、しっかりと行わなければなりません。

 

 

Q2弊社の下請けである職人から残業代を請求されました。下請けに残業代を支払うというのは聞いたことがありませんが、このまま支払わなくても問題ないのでしょうか。

A2

契約上、請負や委託となっていたとしても、実質的に下請け先の職人が、労働基準法上の労働者に当たれば、残業代を支払う義務があります。労働基準法の労働者に当たるかどうかは、契約の名称が、請負や業務委託であるか、それとも雇用であるかと同じではありません。業務の時間や業務管理などを行えるか、必要経費をどちらが負担していたか、給与や報酬は定額か出来高かなど、様々な事情を総合的に検討して決まることになります。争いを未然に防ぐためにも、事前にしっかりと説明しておくことが重要でしょう。

 

 

Q3社員の一人が、命じてもいないにもかかわらず、残業したと主張して残業代を請求してきました。社員が勝手に行った残業についても、残業代を支払わなければならないのでしょうか。

A3

残業代に限らず、賃金は、会社の指示に従って仕事をすることの対価として支払われるものですから、命じてもいない残業に対して、残業代を支払う必要はありません。しかし、許可を得ずにしていた残業でも、それを知りながら何も言わなかった場合、暗黙の了解があったものとして、残業代の支払いが必要となる場合があります。不要な残業をしている社員には、勤怠管理の一環として、しっかりと帰社を命じましょう。

 

 

Q4「会社には世話になったので、残業代はいらない。」と言い、残業代を支払っていない社員がいます。例えば退職の時になって、この社員が急に残業代を請求してきた場合、残業代を支払う必要はあるのでしょうか。

A4

残業代に限らず、賃金全般について、社員の方からこれを放棄することは可能です。ただ、放棄が認められるには、それが本当に自分の自由な意思によって行ったことや、それを裏付けるだけの資料が必要です。本当に残業代を要らないのか確認した上で、第三者を立ち会わせて書面を作成するなどしておくとよいでしょう。なお、賃金は2年で時効にかかりますから、いずれにしても遡るには限界があります。

 

 

Q5弊社の一定以上の管理職は、自分の勤務時間をある程度コントロールできるのですが、そのような社員の残業代について、注意しなければならない点を教えてください。

A5

労働基準法上の管理監督者に当たれば、残業代を支払う必要はありません。ただし、「名ばかり店長」の問題が有名なように、「店長」や「支配人」といった名前だけで、直ちに管理監督者になるわけではありません。残業代を支払わないためには、管理監督者としてふさわしい職務の内容、業務時間の裁量、待遇などを与えるようにする必要があります。

 

 

Q6社員の一人が会社の商品を横流ししていました。懲戒解雇の上、退職金を支払わない予定ですが、何か注意することがあれば教えてください。

A6

退職金を不支給とするには、就業規則などで、どのような場合に不支給とするかを明確に定めておく必要があります。通常は、懲戒解雇の場合、退職金を支給しないといった条項が定められておりますが、そのような場合でも、直ちに退職金の全額を不支給とできるかは注意が必要です。退職金は、これまでの労に報いるといった性格がありますので、全額が不支給とするには、これまでの功績を全て帳消しにしてしまうほどのものといえるかが問題となります。今回の場合で言えば、懲戒解雇の理由となった横領行為が、金額や期間、態様などから考えて悪質であるかどうかを検討することになるでしょう。

 

 

Q7弊社では、就業規則などで明確に定めていないものの、これまでは退職金を支給してきました。ただ、昨今の業績悪化により、今年からは支給する余力がないのが実情です。弊社の場合、今後も退職金を支払わなければならないのでしょうか。

A7

退職金は、労働契約や就業規則等で定めない限り、必ず支払わなければならないものではありません。ただし、「これまで何年にも渡り、退職者には漏れなく一定額の退職金を支払ってきた」といった事情があれば、慣行として退職金の支払義務が認められる場合があります。その場合、これまで慣行として支払ってきた基準に従って支払わなければなりません。

 

 

Q8今年は非常に業績が悪かったため、賞与は不支給にしようと思っておりますが、注意しなければならないことはあるでしょうか。

A8

賞与を支払わなければならないかは、雇用契約や就業規則の内容によって変わります。もし、時期や支給額などが、完全な裁量で決められるようなものであれば、仮に不支給としても、基本的には問題ありません。一方で、例えば、「6月に基本給の2カ月分を支給」といった形で具体的に定めれている場合は、給料と同じように、必ず支払わなければなりません。