複雑な土地の関係

①破産に至る経緯

建築資材等の販売を行い、高度経済成長期からバブルのころまでは順調な業績。
会社が大きくなる中で、工場等の土地を一部購入、一部賃貸という形で拡大。
権利関係が非常に複雑なうえ、土地の上に巨大な作業場などがあり、撤去にも莫大なお金がかかる状況。
しかし、バブル崩壊後は経営が苦しくなる。
細々と仕事を続けていたが、取引先の経営状態も悪化。
売掛金の回収もできない中、どうすることもできずに破産を選択。
連帯保証人たる社長も同時に破産することに。

②申し立て手続き

破産のための費用、従業員への給与を出すことも困難な状況。
弁護士の方から予め裁判所に確認の上、事業用の車両を売却し資金を調達。
裁判所に、社長の個人破産と合わせて、申し立てを行う。

③破産の手続き

管財人が選定されたのち、売掛債権の回収が行われる。裁判を辞さない強い態度により、相当の金額を回収。
不動産について、土地を更地にして返却や売買するには、作業場などを撤去する費用が掛かりすぎる。
土地建物等を全体として引き取ってくれるものを見つけて、何とか配当金が出せる状況までなる。

④弁護士からの一言

バブル崩壊後の苦しい経済状況の中で、破産せざるを得ない企業が増えてきています。
ただ、思い切って破産することで、債権者に悩まされていた状況から抜け出すことができ、笑顔を戻ることが多数あります。
そんな経営者の助けになれればと考えております。