私財を投じての会社経営の破たん

①破産に至る経緯

親の代からの製造業の会社経営をしてきた。
時代の流れとともに、だんだんが業績が悪化していく。
早い段階で会社をたためば、親からの財産で問題なく暮らせたが、従業員のことを考えて会社をたためず。
私財を投じて会社の経営を続けてきたが、どうにもならなくて破産の決意。
個人としても会社の債務の連帯保証をしているため、同時に破産。
 

②申し立て手続き

首都圏のほかに、地方にも工場があることから、破産の申し立てに先立ち、弁護士が現地に行き従業員の解雇、工場閉鎖等を行った。
経営者が会社のためにできるだけのことをしていることが従業員も理解していることから、解雇も問題なくおこなわれた。
債権者たちには、弁護士から受任の通知を送る。債権者たちも、経営者の苦労を知っているだけに、大きな問題は生じない。
 

③破産の手続き

裁判所への破産申し立て後、管財人との協議。地方の工場の売却など、経営者側からの情報提供を行っていく。
債権者集会でも大きな問題は起こらず、1年ほどで破産は終了。
個人的には免責を得て、新しい生活を送ることになる。
 

④弁護士からの一言

本件では、もっと早くに会社をたたむ決断をしていたならばと、残念な思いがしました。
その一方、このような経営者だからこと、従業員や債権者の理解が得られたのも事実だと感じています。