「秘密保持契約」とその実効性確保
秘密保持契約を結んでも秘密を守ってもらえない!?
会社では、顧客情報や製品情報など様々な企業秘密を取り扱いますよね。それが、簡単に漏れてしまうと、せっかく考えた新しいアイデアなどの価値が簡単になくなってしまいます。そこで、取引先などとの関係で、秘密保持契約という契約を結ぶことが一般的です。
秘密保持契約とは、ある取引を行う際などに、法人間(または自然人との間)で締結する、営業秘密や個人情報など業務に関して知った秘密を第三者に開示しないことを内容とする契約のことです。
この秘密保持契約、結びさえすればそれで取引相手が秘密を守ってくれる、そう思っている人が多いです。しかし、これは誤解です。
秘密保持契約に限らず、契約書に調印するのは、社長なり幹部なり経営層の方々です。しかし、実際に秘密に触れるのは、現場の社員です。いくら会社間で、しっかりとした秘密保持契約を結んでも、現場の社員が秘密保持契約を知らなければ、秘密を雑に扱われ、最悪の場合、秘密が漏れる可能性があります。
それでは、現場の社員に対し、秘密保持の義務があることを意識付ける、そのためどうすれば良いのでしょうか。
秘密保持契約の締結の際に、「社員を」関与させれば良いのです。
ただ、さすがに相手の会社の社員個人に対し、会社間の秘密保持契約書と同内容の契約を締結させることは、難しいでしょう。相手の会社も応じてくれないと思います。
⇒「相手の会社の社員が、相手の会社に対して、秘密保持の誓約書を提出することを、秘密保持契約の中で義務付ける」
誓約書の内容は、「今回のプロジェクトで相手会社から提供を受ける秘密情報を守ります。もし秘密情報を漏洩した場合は、会社から懲戒処分を受けることに応じます」といった、簡易なものでも大丈夫です。
会社ではなく、個人の立場として、このような誓約書を提出させれば、社員も、自分自身の義務として、秘密を絶対に守らねばと強く意識してくれるはずです。
重要な企業秘密に関するものであれば、弁護士がチェックし、正確な契約内容、誓約書を作成する必要がありますので、お気軽にご相談ください。