秘密保持契約のフォーマット、雛形
秘密保持契約は、雛形を使ってはいけない!?
定型的な秘密に関するものについては、秘密保持契約はある程度フォーマットが決まっている契約なので、ネットで拾ってきた雛形や、以前に取引先から示された雛形を、そのまま使っている企業も多いのではないでしょうか。
確かに、秘密保持契約書には、基本的なパターンがある程度決まっています。
しかし、雛形をそのまま使った場合、2分の1の確率でリスクがあります。
秘密保持契約を結ぶ場合、基本的には、一方が①秘密を提供し、他方が②秘密を受領する側になります(双方が秘密を提供し合い、受領し合うパターンもありますが。)。そして、秘密を提供する側と、受領する側では、秘密保持契約に対する対応が、違っていなければいけません。
①秘密を提供する側としては、相手に秘密を漏らされないように、厳格な内容の契約書にすべきです(秘密管理体制の構築や、その運用について、細かく指定したり、秘密を取り扱う者を制限したり、秘密が漏れた場合の損害賠償責任を定めたり、契約終了時の秘密情報記録媒体の破棄・返還を義務付けたり、契約終了後も秘密保持義務が存続すると定めたりetc)。
②他方、秘密を受領する側としては、これらの負担・責任を減らすために、緩い内容の契約書にすべきです。
しかし、世に出回っている秘密保持契約書の雛形は、基本的にはどれも厳格な内容になっています。そのため、秘密を受領する側としては、雛形をそのまま使ってはいけないのです。
というわけで、こうしましょう。
秘密を受領する側としては、(弁護士に作ってもらった)緩い内容の秘密保持契約を示す
秘密保持契約書は、みなさん普段から見慣れているため、案外きちんとチェックせず、そのまま応じてくれたりすることもありますよ。
定型的なものを使って形だけやっているのでは、本当に問題になったときに対応できない、意味の薄い契約になってしまいます。本当に重要な企業秘密については、その流出によって経営がいきなり傾いてしまうことだってありえます。
契約書の作成が必要な場合はもちろん、雛形を使うにしても、必要な条項が抜けていないか、付け足したほうがいい条項がないのか等の契約書のチェックなど、お気軽に弁護士にご相談ください。