第130号 相続の基礎の基礎(9)遺産など絶対に渡さないぞ

財産のある人が亡くなると、法律上当然に、相続が発生します。否も応もないわけですね。

うちの子供たちも、5歳のころまでとても可愛かったんです! でも、大きくなるとだんだんに憎たらしいことを言ってきます。「パパって、何が楽しくて生きてるの?」と言われたときには、本気で「財産は一銭も残さん!」と思ってしまいました。(お、大人げない。。。)

ただ、世の中には本気で、子供や妻といった、法律上認められている相続人に、一銭も渡したくないという人がいるようです。うちの事務所でも、よく相談を受けます。まあ普通は、一時の感情で決めないようにアドバイスしますけど、決意が固い時には、それなりの対応が必要になります。

こういう時にまず考えるのが、遺言書の作成ですね。特定の相続人には何も残さないと、遺言で決めてしまうのです。さらには、予め自分の財産を、他の相続人たちに分配してしまうこともあります。これなら、本人が死んだ時には、ほとんど財産が残っていないことになります。

ただ、そのような場合にも、一銭も貰えない相続人を守るための法律があります。それが、「遺留分」といわれるものです。簡単に言いますと、本来貰えるはずだった相続分の半額ほどは、たとえ遺言があろうと、生前に贈与していようと、法律上取り戻すことができるという制度です。この制度があるおかげで、遺産を貰えず、ある意味不当に迫害されている遺族の権利が守られるというメリットもあります。その一方、これによって、遺産相続はさらに揉めるのです。
(ということで次回に続きます。)
平成28年11月21日発行 第130号 文責:大山 滋郎