第125号 相続の基礎の基礎(8)寄与分は認められますか?

相続というのは、本当に不思議な制度だなと、昔から思っていました。
「相続人」にさえなれば、どんな人でも、相続 を受けることができます。結婚した翌日に、相手の大金持ちが亡くなれば、大金を当然に「相続」できちゃいます。どんな親不孝の息子でも、 子供であるというだけで、親の遺産を相続できるんですね。私にとっては、相当不思議な制度ですが、世間的には当たり前のことだと思われているようです。

一方、相続のときには「寄与分」という制度があります。相続人の中でも、財産を作るのに非常に貢献したような人には、それなりに特別扱いを認めようという制度です。
具体的には、貢献度に応じて、沢山の相続分を貰えるというわけです。この寄与分は、それなりに有名な制度です。多くの方が知っています。それだけに、実際の相続のときにも、問題となることが多々あります。皆さん、基本的に自分は、配偶者や親の財産形成に、大変な功績があると主張します。自分が親の介護をしたから、遺産が減らずに済んだのだと主張します。
しかし、基本的に寄与分の主張は、裁判所ではほとんど認められません。実際問題、どのくらいの功績があるのかなど、裁判官が決めるのは非常に難しいということもあります。しかし、そもそも「相続」というのは、相続人でさえあれば、何一つしない子供にも、財産を残す制度です。
貢献したものに財産を与えるというのは、そもそもの相続の考えとは相容れないものでしょう。

ということで、現実的な対策としては、何か貢献した者には、給料を払ったり、介護料を渡したり、その場その場で報いることが大切になります。そういう心配りがあると、相続時の争いを止めることも期待できるのです。
平成28年9月26日発行 第125号 文責:大山 滋郎