第101号 「ドーナツ屋さんの悲劇」~商標権はどっちのもの~

Aドーナツ屋さんでは、社員一同必死に企画開発を行って、とっても美味しくて、見た目もおいしそうな「スタードーナッツ」を開発しました。実際に、好評でそのドーナツは人気商品となりました。あまりにも好調な売れ行きなので、支店をだそうという話まで出てきました。
ですが、その支店開設の段階になって、社長と開発部長とで経営方針で対立してしまいました。開発部長がお店を辞めて、あろうことか、Bドーナツ屋を開き、「スタードーナツ」を同じように販売するようになってしまいました。当然、Aドーナツ屋さんの社長は、Bドーナツ屋さんで、「スタードーナツ」を売ることを止めさせたい。

どうしようか悩んでいると、BドーナツからAドーナツに来た連絡で、A社長は、びっくりしました。なんと、Bドーナツから、「『スタードーナツ』は、Bドーナツが商標登録している商品なので、Aドーナツでは販売することを止める」ように連絡がきたのです。
Aドーナツで開発した「スタードーナツ」を、Aドーナツで販売できない。こんなことって、おかしいと思わないでしょうか。「スタードーナツ」を開発し、人気商品にしたのは、Aドーナツだったのですが、、、、。

感覚的にはおかしいと感じる人も多いと思うのですが、まず 「スタードナツ」という名称は、法律的には「商標権」という権利で、商標権を登録しているBドーナツに権利があります。そうすると、感覚的にはおかしいけれども、Bドーナツの要求は「一見正しい」のです。
法律の世界っていうのは、「一見正しい」ことを覆すのには、非常に多くのコストがかかることが多いです。今回のケースは、実際に訴訟になっていたケースを一部変えたものなのですが、裁判官としても非常に悩ましいと言っておりました。
実際に、裁判を最後まですれば、どちらの言い分が勝つのか、はっきりさせることができます。ですが、経済的な合理性を考えると、現実的にはそこまでできないことが多いのです。

商標というのは、登録という手続によって取得する権利だったのですが、今回の話のように、事前に権利を取得しておかないと、実際に作り出した会社が権利を得られないということも充分にあり得るのです。今回は、商標の話を通して、会社にとって、事前に行う予防法務の大切さを伝えることができたらと思います。後から、覆すのは大変なのです。。。。

とにかく明るい弁護士の状況

先日は、九州まで出張に行って参りました。遠隔地の対応は、正直スケジュールの調整で大変なところもあるのですが、それだけ「遠方からでも弊社に依頼したい!」というお気持ちに応えるため、一層気合いが入ります。
一仕事終えた後に、ご当地グルメを楽しむことができるのは、遠方出張で楽しみなところもございますが、九州は、、、、大変なんです。。。なんといっても、名物が多すぎる!何を食べるか非常に悩ましい。お土産もしかりです。最終的に、両手いっぱいのお土産を抱えて帰ってくることになったのでした(当然、仕事はきっちりやっていますよ!)。(文責:山村暢彦)