第100号:相続の基礎の基礎(3)~生前贈与~

自分が亡くなる前に、財産を相続人たち与えてしまうのが「生前贈与」ですね。シェイクスピアの「リア王」なんか有名です。リア王は自分の領地を、自分におべっかを使 う娘たちに分け与えてしまうんですね。ところがひとたび財産を全て貰ってしまうと、娘たちはリア王を迫害し始めます。これって現代日本でもよく聞く話です。財産を渡してしまったら最後、子供たちから冷たい仕打ちを受けたなんて話です。
その一方、生前贈与というは相続税対策としては一番良い方法です。相続税を減らすためには、変な小細工をしたりしないで、生きているうちに財産を分けてしまうのが非常に有効なのです。このことは、法律や税金の専門家にとっては常識なのですが、一般の方には意外と知られていないように思えます。
年間110万円までの贈与には税金がかからないというのは有名な話ですから、多くの人が知っています。これはこれで非常に有用な知識です。しかし、財産をある程度持っている人の場合、年間に110万円程度の贈与では、それほど多くの財産を移すことはできません。そこで、ある程度は贈与税を支払うことを前提に、例えば年間5-600万円程度を贈与するというのは、とても実践的な相続税対策になります。その場合の贈与税は、将来の相続税よりも、かなり安く済むからです。
リア王の教訓を考えると、自分の生活ができなくなるほどの財産を生前贈与することは問題でしょう。しかし、そこまでいかないなら、「生前贈与が一番の相続税対策」ということは、しっかりと覚えておいた方が良いはずです。
今回はとても良い法律知識なので、顧問先皆様だけでなく、80をかなり超えている私の両親にも送ってあげようと思ったのでした!