第90号 相続の基礎の基礎(1)~遺言の重要性~

昨年、ある会社の社長さんが亡くなったのですが、その人には子供がいませんでした。一見すると、相続人は奥さんだけだったのです。ところが実際は、亡くなった人は兄弟が沢山いたんですね。全部で9人兄弟だそうです。奥さんのほかに、それら兄弟も相続人になりますから、遺産の分割などで、奥さんは大変苦労しているようです。
私がショックを受けたのは、その会社には、顧問弁護士がいたことを知ったときです。本人が亡くなる前に、遺言を作っておいて、遺産がすべて奥さんに行くようにしておいたなら、こんな大変な問題は起きなかったわけです。(兄弟には遺留分がありませんので、遺言で全て奥さんに相続させると決めておきさえすれば、亡くなった社長さんの兄弟は、何も請求できませんでした。)
こんなことは、法律家にとっては当たり前すぎるほど当たり前で、ことさら話すのも恥ずかしいような内容です。その会社の顧問弁護士も、何となく、顧問先も当然知っているだろうと思いこんで、ことさら注意しようとしなかったのでしょう。
しかし考えてみますと、私自身顧問先の皆さんの相続問題など、特に注意してみてきておりませんでした。同じような問題が起こったとしても、少しもおかしくないですね。それに気が付いて、大変済まない気持ちになったのです。
今後私の方では、「相続の基礎の基礎」ということで、本当に基礎的な相続のことについて、情報発信してまいります。こちらを読んで、何か気になることなどありましたら、遠慮なくお問い合わせいただければ幸いです。
また、今後は毎週月曜日に、5人の弁護士が交互に得意分野について情報発信してまいります。引き続き、どうかよろしくお願いいたします。