第76号 採用活動と内定のルールとは?(3)

前回から、採用と内定について解説しています。前回まで、採用についてのルールを解説しました。今回からは、内定についてのルールを解説していきます。
注意しなければならないのは、採用段階では、会社の裁量が大きいのに対して、一度内定を出すと、一気に法的な縛りを受けるということです。最近でも、某テレビ局のアナウンサーが、学生時代にクラブで働いていたということで、弁護士を付けて紛争になりましたよね。
内定は、一般的に「就労始期付き解約権留保付き労働契約」と言われています。「就労始期」というのは開始時期、いつから働くかということです。「解約権」というのは、いわゆる内定の取消しです。つまり、まだ働く時期は先だし、内定を取り消す場合もある労働契約ということになります。重要なのは、内定の段階でも、労働契約は成立しているということです。
よく問題になるのは、内定の取消しですが、解約権が留保されているからといって、簡単に内定が取り消せるわけではありません。内定も労働契約ですから、内定の取消しは、労働契約の解約、つまり解雇とほぼ同じ枠組みで判断されてしまうのです。そして、解約権留保付きといっても、解約できるのは、「採用内定当時に分からなかったが、就労前までに新しい事情が分かった」といった限られた場合になります。
例えば、「内定時からちょっと陰気な印象を受けていたが、内定後に、それを上回る長所がみつかるかもしれない」という理由で採用したものの、結局そのような長所がなかったという理由で内定を取り消したという事案では、裁判所は内定の取消しを無効としました。
次回は、もう少し具体的事例を紹介するとともに、「内々定」の話も解説していきます。

グルメ弁護士のつぶやき

自宅近くの寿司屋の評判を聞き、行ってみました。外見は至極普通。店内も居酒屋風で、子供やTシャツの男性もいます。本当かいなと思いながら、刺身からつまんでいくと、確かにうまい!どうやら、大将がおいしそうなものばかり築地で買い漁っていた結果、値段は気にせずただ美味しいものが食べたいという客層に変わっていったとのこと。私の隣の殿方もかなりの食通だったようで、大将によれば、マグロを一口食べて、「このマグロ定置網でしょ」と呟いたとか…。私も、食べたマグロが定置網かはえ縄かまで見極められるレベルを目指します(笑)(文責:石崎)