第71号 税務調査の実際(3)

前回、前々回に引き続き「税務調査の実際」というテーマでお話しさせていただこうと思います。
今回は、今回のテーマは、税務調査官の心理についてです。
「おみやげを渡す」という話をご存じでしょうか。税務調査で、調査官に単純な申告ミスを指摘してもらって、それを「おみやげ」として持って帰ってもらうことです。
税務調査官としては、実は、「おみやげ」は大変ありがたい存在です(笑)脱税や申告ミスを見つけるノルマはありませんが、実際には、調査をしたけれども何も見つからなかった、となると、課長から冷たい視線を浴びせられることになります。調査官としては、それはできれば避けたいことなのです。
ですので、単純ミスが見つかるまでは、かなり細かく色々なことをチェックしていきます。この過程で、脱税を見つけたり、重大なミスを発見したりすることもあります。しかし、ひとたびミスが見つかれば、その後は少し気が抜けることは事実です。
もちろん、色々な間違いを見つければ見つけるほど良い、ということはありますので、調査はちゃんと続けます。しかし、何も見つかっていない時点に比べれば、気が抜けているのは間違いありません。
あえて申告ミスを残して「おみやげ」を持たせるというのも変な話ですので、予めミスを残しておくわけにはいかないでしょう。ただ、税務調査官の心理からすれば、少しの「おみやげ」があると、結果として調査の厳しさが低下してしまう、というのは避けられないことなのです。

弁護士川島の一言

2年間に渡り税金関係の話題をお伝えして参りましたが、今月末をもって当事務所を退所し、熊本県で独立開業する運びとなりました。顧問先の皆様には大変お世話になりました。本当にありがとうございました。もし、九州で何かお困りごとがありましたら、お気軽にご連絡ください。また、今後とも横浜パートナー法律事務所をよろしくお願いいたします。