第53号 人事異動を巡るトラブルを防ぐには(2)

前号から、人事異動に関してのシリーズをお送りしています。今号からは、異動の種類ごとに、細かく解説していきますが、まずは、配転についてです。
配転とは、「同一企業内における職務内容や勤務場所の長期間にわたる変更」を指します。平たく言えば、社内で、職種や勤務場所等を変更するということです。例えば、営業部から総務部への異動や、本店から支店への異動(一般的な「転勤」)などがこれに該当します。
配転が認められるためには、就業規則や個別契約で、「配転がある」ことを定めている必要があり、その上で、具体的な配転命令が、権利の濫用と言われないものでなければなりません。前半に関して言えば、通常は、就業規則に、「業務上の必要がある場合には、配転を命ずることができる」といった規定が盛り込まれているはずですし、それで充分です。
注意しなければならないのは、個別の雇用契約で、職種や勤務地を限定する合意がなされている場合でしょう。例えば、就業規則で「配転がある」と定めていても、個別契約で「○○支店勤務とする」と定めていれば、勤務地を変えることはできません。他方、医師や弁護士、大学教員など、専門的な職業によくみられますが、職種が限定されている場合もあります。
ここで注意しなければならないのは、職種や勤務地を限定する合意は、契約書上で明らかでなくとも、黙示で認められる可能性がある点です。長い期間、職種や勤務地が一か所であったからといって、直ちにそのような合意が認められるわけではありませんが、社内の慣行や、実際の運用なども加味して、黙示の合意があったと判断されてしまうこともあります。現実に配転を想定しているのであれば、就業規則が空文化しないように、ある程度の期間で実際に配転を行っていく必要があるでしょう。
次回は、どのような場合が権利の濫用になるか、具体例を交えて解説していきます。

新人弁護士のつぶやき

少し前に、人間ドックを受けてきました。バリウムも飲んだのですが、バリウムよりも発泡剤の方が苦しいですね。「げっぷを止めてください」と言われても、そんな訓練したことありません!そして、先日、結果が返ってきたのですが、特に異常な数値も出ず、健康体で驚きました。でも、だったらいつもどこかしら調子が悪いのは、単に気が抜けてるからなんでしょうか・・・。(文責:石﨑)