第48号 瑕疵担保責任の期間にご注意

 売買契約や請負契約で、目的物に瑕疵(仕様との不一致や不具合)があった場合、売主や受注者は、「瑕疵担保責任」を負います。具体的には、①無償で瑕疵を修補させられる、②損害を賠償させられる、③契約を解除される、の3つの責任です。ただ、この瑕疵担保責任は、いつまでも存続するものではなく、一定の期間で消滅します。法律の原則では、①売買契約の場合は納入から6ヶ月、②請負契約の場合は納入から1年間です。
 ところがこの期間は、契約書によって変更が可能です。そのため、売主、受注者側から示される契約書では、瑕疵担保責任の期間が、「納入から1ヶ月間」や、酷いときには、「納入から10日間」とされていることがあります。その一方、買主、発注者側から示される契約書では、「納入から1年間」となっていることが、ほとんどです。
 瑕疵担保責任の期間はどれくらいが妥当かは、納入物の性質で変わってきます。納入物が、単なる物品や、単純な構造の機械であれば、納入を受けた時点での検査によって、瑕疵に気づくことができるので、短くても良いでしょう。しかし、複雑な機械やソフトウェアの場合は、ある程度使ってみないと瑕疵が顕在化しないので、長くすべきでしょう。そのため、契約書上の瑕疵担保責任の期間は、きちんと確認すると共に、取引の実態に合った期間に直すようにしましょう。

弁護士藤井の一言

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