第45号 営業時の口約束を無効化する規定

 営業時に、営業担当者が、契約欲しさに、ついついセールストークをしすぎて、契約内容に本来含まれていないような、勝手な保証をすることが時々あります。会社側は、そのことを把握していなかったため、実際に契約が始まった後に、顧客から、「営業の人から言われた話と違う!契約違反だ!」とクレームを受けてしまうことになります。
 このようなトラブルは、「会社間の取引」であれば、契約書の規定で、防ぐことができます。それは、「完全合意」の規定です。具体的には、以下のような内容です。
第*条(完全合意) 
 本契約は、本契約に関連する甲及び乙の完全なる合意を構成し、本契約の締結以前に甲及び乙間でなされた本契約に関連するいかなる合意も、全て本契約に取って代わられる。
 この規定によって、「契約を結ぶ前に、色々とお話があったかもしれませんが、あくまでも、この契約書に書かれていることが全てです。契約書の内容を確認の上、これで十分だと判断されて、押印されたのですよね。」と言える(法的効果が発生する)ことになるのです(消費者相手の契約では、有効ではないので、注意して下さい)。
 裁判例でも、有効な規定と判断されていますので、自社の営業担当者のセールストークが心配な会社の皆さんは、契約書に盛り込んでみてはいかがでしょうか。

弁護士藤井の一言

 先日、引越をしました。引越に際して、大手の引越業者に見積もりをお願いしたところ、6万8000円と言われました。値引交渉のため、相見積もりを匂わせた所、あっという間に2万9800円にまでなりました。最初の金額は、何だったのでしょうか。(文責:藤井)