第44号 従業員からパワハラで訴えられた!(4)

前回(第41号)まで、3回に渡り、「パワハラ」について解説してきました。今回は、「パワハラ」トラブルの予防法を検討しつつ、シリーズの総まとめをしたいと思います。
近いトラブルであるセクハラを参考に、パワハラの予防・対策を考えてみましょう。まずは、アンケートなどで従業員の認識や現状を確認します。平の社員に対しては、「パワハラを受けたことがあるか。それは何か。上司の対応はどうだったか。」といった内容で、管理職に対しては、「パワハラと思われることをしたことがあるか。部下からパワハラと言われたことはあるか。それは何か。どう対応したか。」といった内容になるでしょう。
それらの結果を踏まえて、管理職に対しては、パワハラに関する啓蒙活動を行う。例えば、研修まで難しければ、役所で配られているパンフレットなどを読み合わせるだけでもいいでしょう。自分の行為がパワハラとして問題になりうるかどうか、基準を教えてあげるわけです。
一方で、従業員に対しての手当として、パワハラに関する相談窓口や責任者を決める。分かりやすく「パワハラ撲滅委員会」なんかを立ち上げてもいいですね。直属の上司では意味がありませんから、いっそ、経営者が自ら責任者に就任するというのも効果的です。
その上で、就業規則の中にパワハラの規定を盛り込んだり、パワハラ予防指針のようなものを作成すればより万全でしょう。
そして何より、経営者自らがパワハラの予防に取り組んでいる姿勢を示すというのが重要です。「世間ではブラック企業といった言葉が話題だが、うちはパワハラや嫌がらせは絶対に認めない!」とアピールする。なんだそんなことか、と思うかもしれませんが、トップの姿勢は対外的にも非常に意味があります。そうした上で、具体的な方策を取れば、その効果は倍増しますし、逆に、経営者の姿勢が曖昧だと、色々やってもなんとなくボケてしまうということです。
どの社内トラブルもそうですが、労務管理の観点で言えば、「経営者がしっかりと従業員と意思疎通する」というところに、結局は落ちつくのかもしれませんね。

新人弁護士のつぶやき

今号は盛り込み過ぎてスペースがありません!週末は雪がすごかったですね。まだしばらく寒いようですが、ドカ雪の後は春が来る気がします。皆様くれぐれもご自愛ください。(文責:石﨑)