第43号 これって転嫁拒否?

前回に引き続き、消費税増税にまつわる注意点を解説したいと思います。今回は、「転嫁拒否行為」の問題です。
消費税増税にともなって、転嫁対策特別措置法が施行される予定です。消費税増税に便乗した取引先への値下げ要請などを禁止するために定められるものです。この法では、消費税増税にともなういくつかの禁止行為が定められています。具体的には、
「個人事業者や資本金3億円以下の事業者」から、「継続して商品や役務の供給を受ける」場合に、消費税の増税を理由として、①値下げ要請等をする(減額、買いたたき)、②他の物を買わせる(商品購入要請)、③税抜価格を用いた価格交渉の拒否、また、④報復行為をする
などです。
これに違反した場合、罰則などがあるわけではありませんが、悪質なときは公正取引委員会による勧告や、公表が行われます。
では、次のような場合は「転嫁拒否行為」にあたるでしょうか。
・値引き要請をしたのは4月1日以前だから大丈夫!
 →昨年の10月1日以降であれば、違反になります。
・値下げすることについて、取引相手から合意書面を取った!
 →消費税増税がなくとも値下げする予定があったなどの合理的理由がない限り、合意書面を取っていても違反です。
・見積書が税抜価格で発行されたので、税込価格で出し直させた!
 →税抜価格での価格交渉拒否としてになります。
今後、取引の価格を改定する場合には、十分注意する必要がありそうです。

弁護士川島の一言

妻が熊本に単身赴任することになり、熊本の話を聞くことが増えました。熊本の方言の話を聞いた時に驚いたのは、「あとぜき」という言葉です。これは、「部屋に出入りした後に、ドアをちゃんとしめる」という意味だそうです。漢字で書くと「後塞」。なるほど。なぜこんなピンポイントな行為についての言葉ができたのか、気になって仕方ありません。(文責:川島)