第27号 契約書がないと、契約が成立しない!?

正式な発注がない中で、スケジュールから逆算して、作業を開始しないと間に合わないと考えて、契約書も何もなしに作業を開始したところ、結局発注が中止になったような経験、ありませんでしょうか。
このような場合に、そもそも契約は成立したといえる(代金を請求できる)のでしょうか。
この点、ものの本には、「契約とは当事者間における合意であり、申込と承諾によって成立する。したがって、契約書が存在しなくても、口頭の合意で契約は成立する」と解説されています。皆さんも、「別に契約書がなくても、契約は成立する」ということは、常識として知っているでしょう。
ところがこれは、半分は正解ですが、半分は間違っています。たしかに、法の理屈では、口頭の合意でも契約は成立します。
ですが、実際の裁判では、契約書がないと、契約の成立を認めてもらうことは難しいのです。契約が成立したかどうかでトラブルになり、裁判になったケースをいろいろと調べてみると、裁判所が、契約書がないことを理由に契約の成立を認めないケースは、非常に多いのです。
業界的には、いちいち契約書を取り交わさずに案件を受注して、費用を支払ってもらうのが当たり前なので、このような裁判所の考えには、納得できないと思います。
ですが、業界の常識は、裁判所には通じません。現実の裁判の運用がこうなっている以上、「契約書がないと、契約の成立を認めてもらうことは難しい」ことをしっかりと理解して、なるべく契約書を作成するか、それが無理でも、最低限、発注書と請書は取り交わすように心がけましょう。

弁護士藤井の一言

先日、ガン検診を受けましたが、主要なガンのいずれもA評価(一番リスクが低い)でした。私にガン検診を勧めて、一緒に受けた両親も、同じく問題なしでした。すると今度は両親から、「ガンで亡くなるのは自然なことである。過剰なガン治療で苦しむのは良くない。いちいち検診も受けなくてよろしい。」という内容の本を渡されました。もうわけがわかりません。(文責:藤井)