第25号 この契約、業務委託?請負?それとも、雇用?(2)

前回、個人事業者の方に仕事をお願いする際には、労働基準法上の「労働者」に当たらないように契約内容を定めるべきだということをお話しさせて頂きました。今回は、この問題が、税金面でも問題になるため、そちらの注意も必要だというお話をさせて頂きます。
個人事業者への支払いについては、それが「給与」なのか「外注費」なのかによって、税金面での取扱いが異なります。
「給与」に該当する場合、①所得税の源泉徴収義務が発生し、②消費税の課税仕入れとして認められないことになります。他方、「外注費」であるならば、①原則として源泉徴収義務が発生せず、②消費税の課税仕入れとして認められるのです。
源泉徴収に関しては、最終的に個人事業者が支払うものですから、それほど問題は大きくありません。しかし、消費税の課税仕入れとして認められない場合、確実に納税額が発生します。しかも長期間に渡っていた場合は、納税額も多額になりがちですので注意が必要です。
税務上、「給与」にあたるか「外注費」にあたるかは、①役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか②事業者の指揮監督を受けるか③作業内容や成果物についての危険負担は事業者が負うか④材料や用具を供与しているか、といったことから判断されます。また、実際の税務調査では、⑤その個人が確定申告しているか⑥組織図に記載されているか⑦特定の座席があるか⑧タイムシートなどによる時間管理が行われているか⑨他の従業員と同じ福利厚生を受けているか、といったことも確認されます。
基本的には労働基準法上の「労働者」に該当するかどうかというのと同じ視点ですが、税務上の基準の方がより具体的なものになっています。これらを参考に、契約内容や、勤務形態を定めるようにして下さればと思います。

弁護士川島の一言

指をくわえて見ている間に、株は高くなり、為替は円安になってしまいました。安かったときの値段の印象が強すぎてなかなか買えないんですよね。典型的な相場下手です。昨年末に海外旅行に行った後に残った100ドル札を、苦笑いしながら眺める今日この頃です。(文責:川島)