第15号 会社の業績不振による賞与の不支給

質問

1. 昨今の不景気で、弊社の経営状態も厳しくなっております。
2. 少しでもと思いましたが、今期の売上が非常に厳しく、夏のボーナスを出せそうにありません。
3. 就業規則では、単に「毎年6月と12月に賞与を支給する。」となっておりますが、この場合、賞与を不支給にすることができるのでしょうか。

回答

1. まず、賞与というのは、従業員に対して当然に支払わなければならないものではなく、個別の契約や、就業規則等で定めた場合にのみ生じるものです。逆に言えば、賞与を支払うと決めた場合は、契約内容になっていますから、会社はその契約に従って支払う義務を負います。したがって、「年末に給与の2か月分支給する」と定めている場合に、会社の経営難を理由として、支給額を減らしたり、不支給としたりすることはできません。
2. 問題は、単に「賞与を支給する」という規定のみで、その額について明確に定めていなかった場合です。今回の場合のように、規定が一切なかったり、定めていても、「会社の成績を考慮して」といった抽象的な形である場合は、使用者の決定や別途の合意がなければ、具体的な請求ができないというのが裁判例です。
3. つまり、このような場合には、会社の方から、「○か月分」「○万円」と言わない限り、支給しなかったとしても違法ではありません。支給するかしないかも含めて、会社に委ねられているということになります。
4. ただし、就業規則上も賞与の規定があり、現に毎年賞与が支給されてきたにもかかわらず、急に支給されないということになれば、従業員としては、すぐには納得できないでしょう。賞与を見越してローンを組んでいる場合もあります。
5. したがって、もし不支給が見込まれるのであれば、できるだけ早くその旨を伝え、会社の業績が厳しいことや、今後の努力で今回の分を取り返せることを説明し、従業員の士気を下げないことが重要でしょう。