第11号 残業手当の一律支給

質問

1. 弊社では、残業の有無やその時間にかかわらず、全従業員に対して、一定額の残業手当を支払っております。
2. そのため、これまで残業代を請求してくる従業員はいませんでしたが、先日、一人の従業員が、残業手当分の残業時間を超えたと言って、残業代の支払いを求めてきました。
3. 残業代を支払わなくて済むように残業手当を一律支給していたのですが、支払わなければならないのでしょうか。

回答

1. 残業代を、実際に残業した時間から算定するのではなく、前もって定めた一定額で支払うことは法律上可能です。いわゆる「みなし残業手当」と言い、現実にこの制度を取り入れている会社も多いと思います。
2. ただ、実際に残業時間から算定した金額が、定額で支払った残業代を超過する場合は、超えた分につき、定額の残業代とは別に支払う必要があります。
3. したがって、いわゆる「みなし残業手当」を支給しているからといって、それ以上の残業代を支払わなくてよいことにはなりません。
4. また、みなし残業手当は、その残業手当が、何時間分の残業代に相当するものなのか、明示しておかなければならず、ただ「残業手当」という名目で支払っていても、当然に、残業代として充当されるわけではありません。
5. この結果、残業手当として支払っていた部分についても、全て残業代を支払わなければならなくならない場合があります。
6. これまで問題なく済んでいたとしても、関係の悪化した従業員に、労働審判などを起こされた場合、「残業手当」と支払っていたものは、法律上認められないということにもなりかねませんから、注意が必要です。