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第3号 従業員の逮捕と懲戒解雇

質問

1. 従業員が、休日の旅行中、交通事故を起こして逮捕されました。
2. 詳しい話を聞くと、酒気帯び運転の上、被害者の方も重傷を負われたようです。
3. 社会全体で飲酒運転を無くそうとしている今、会社としては、事件を重く受け止めております。
4.懲戒解雇は当然と思いますが、法律的に問題がないか確認させてください。

回答

1. 懲戒というのは、企業秩序を維持するために、使用者が従業員に対して行うものです。企業施設外で就業時間外に行われた私生活上の非行は、仮にそれが重大な犯罪行為であったとしても、企業秩序とは基本的に無関係なものとして、懲戒の対象とはなりません。
2. しかし、私生活上の非行であっても、企業の社会的評価や信用を低下させるものである場合、その行為は企業秩序と関係しますから、懲戒の対象となりえます。
3. 例えば、あなたの会社がタクシー会社で、従業員が運転手というのであれば、利用者に大きな不安を与える可能性がありますし、被害者が偶然有名人であったため、会社の名前が大きく報道されたとなれば、企業の社会的評価は大きく下がりますから、懲戒の対象となりうるでしょう。
4. 判例も、私生活上の非行が懲戒の対象となるかどうかは、その行為自体の性質などに加えて、会社の業種や規模、経営方針、従業員の地位など、行為とは直接関係ない事実も考慮して判断すべきとしています。
5. したがって、従業員が今回のような事件を起こした場合、まずは、事実関係をしっかりと聞いておかなければなりません。その上で、懲戒解雇が認められるケースなのか、懲戒解雇について従業員が納得しているか、よく検討する必要があります。
6. そして、解雇は懲戒解雇だけではありませんから、懲戒解雇が認められるか微妙であったり、従業員が後々争ってくるような様子であれば、無理に懲戒解雇にこだわらず、逮捕・勾留によって長期間就労していない事実をとらえて、普通解雇とすればよいでしょう。
7. なお、その場合、起訴による欠勤は休職扱いとする「起訴休職」の規定が、就業規則上どうなっているか確認しておく必要があります。
 

 

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企業の常識・弁護士の非常識

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「企業の常識・弁護士の非常識」と題して、月2回発行している
ニュースレターのバックナンバーを掲載しています。
 
企業の法務部門での15年に及ぶ勤務経験から、企業の常識と弁護士の
常識には、かなり大きいギャップがあるのではと感じています。
企業の常識を持った弁護士として、多くの会社のお役に立てればと考えております。

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